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半減期前後の価格はどうなる?過去の事例まとめ

将来の価格予測を高確率で合理的に的中させるのは不可能だと思っているので、予測記事は基本的に書かないことにしていますが、一か月後に約4年に1度のビットコインの半減期が迫っているので、せっかくなので半減期ネタについて書いてみます。

半減期とはビットコインの新規発行量が半分になることで、210,000ブロック(約4年)ごとに行われます。前回の半減期は2012/11/28で50BTC/ブロックから25BTC/ブロックに減少しました。今回の半減期では25BTCから12.5BTCに減少することになります。

半減期ではBTCの新規発行量が減ることによりBTCのインフレ率が低下するので、単純に需要・供給と価格の関係で考えると、BTCの需要の伸びが保たれるという前提があれば半減期以降は価格が上昇することになります。ビットコインの場合、供給量=BTCの総流通量は2141年頃まで増え続けるので、もし需要が常に一定であれば、価格は低下していくことになります。ただし、実際には秘密鍵の紛失など供給量が減る要素も多くあり、逆に取引所上で実際の取引所の保有BTCよりも多くの量のBTC取引をユーザーに提供することなどで供給量が増えることも考えられるので、そう単純ではないのが現実です。

また、半減期の時期は明らかになっており大体の日付が予測できるので、実際の市場ではこれを見越して半減期を織り込んで早めに価格が上がることも考えられ、半減期から約一か月前の現在の価格も上昇傾向にあります。

そういうわけで価格の予想というのは非常に難しいのですが、ビットコインのスタートから約7年経過した今ではアルトコインなど他の仮想通貨も多く生まれ、半減期を経験したコインも多くあります。そこで、この記事ではビットコインと全く同じインフレ率の変動(4年に1度ペース)が設定されているライトコインとネームコインの半減期前後半年の価格変化をまとめておきます。半減期から一か月ごとの価格をとっただけのかなり適当なグラフなので、真面目に分析したい人はもっとちゃんとデータをとりましょう。

グラフでは半減期での価格を100%として1ヶ月ごとの価格の割合をパーセント表示で表しています。

ビットコイン1回目(2012/11/28)

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まずは、ビットコインの例から。前回の半減期では、半減期数か月後から価格が上昇しはじめ、5か月後には10倍もの価格に変化しています。ただし、注意しておきたいのは、この上昇はキプロス危機が主要因と言われているということです。たまに、前回も半減期でも価格があがったという記述を見ますが、当時のニュース記事や掲示板の感じを見れば分かるように半減期は価格上昇にはあまり関係なかったというのが大勢の意見だと思います。

ライトコイン(2015/8/25)

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アルトコインの場合、注意しておきたいのが主要取引ペアはビットコインであるため、BTCベースの価格推移を見たほうが良いということです。ドルベースの価格推移はかなりビットコインに影響されてしまうため、あまり参考にはなりません。

ライトコインでは、半減期前に大きく価格が上昇しましたが、4か月後にはほとんど半減期前の水準に戻ってしまっています。

ネームコイン(2014/12/16)

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ネームコインの場合は半減期前後もあまり変わりなく徐々に下がってしまっています。

今回のビットコインは?

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今回は1か月前の現在の時点で既に価格は上昇しています。今までの事例などを見ると個人的な印象では、少なくとも半減期はもう価格に織り込み済みであり、これからはその他の材料次第という感じがしていますが、どうなるでしょうか?