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Wavesの近況

早いものでもう5月も終わりということで、密かなノルマとしていた月最低1回更新のために月最終日に滑り込み更新しておきます。

今回はちょうどブログの最初の記事でちょっと触れたWavesの近況について。他にも昨年にICOとかアルトコイン系で触れたものもありますが、悲しいことに進捗があまりなくて書くことがないので、なにか書くネタができ次第書きたいと思います。

Wavesって何?

公式ではトークン発行・転送・取引プラットフォームとうたっており、Nxtコミュニティから派生したNxt同様のブロックチェーン/仮想通貨です。

以前の記事でどんなものか書いていたので、詳しくはそちらの記事を参照してください。

近況

本当は技術的なことを書ければよかったのですが、相変わらず最初に発表されたペラペラのホワイトペーパー以外出来ていないようなので、どんな開発の進行状況かを説明するだけにとどめておくことにします。

ICO前は専属の開発チームの中にはフロントエンドの開発者が一名しかいなかったのでかなり開発力に疑問を持っていましたが、いざ始まってみるとそこそこの金額が集まったせいもあってか、開発チームの人数が増え、割と順調に開発が進んでいるようです。

トークン発行機能

Wavesの根本機能なので、ブロックチェーン立ち上げ後早い時期に対応しました。今後は、軽量型クライアントからトークン保有者に配当を簡単に送れる機能や取引手数料をWAVESトークンではなくカスタムトークンで支払えるようになる仕組みも実装する予定らしいです。

ウォレット

PC用の軽量クライアントはもちろんのこと、AndroidやiOS用のウォレットもリリース済です。

ゲートウェイの対応

Wavesは自分のブロックチェーン上でBTCといった他の暗号通貨やUSDなどの法定通貨を扱い交換できることを目指しており、トークン(IOU)というかたちで公式主導で発行されています。

今年に入ってWaves上のBTCトークンを実際のBTCと交換できるゲートウェイに対応したり、EURを現実のユーロと交換できるKYC/AMLを取り入れたゲートウェイに対応しているようです(こちらは現時点だとまだ利用不可?)。

この手のIOUはゲートウェイの破たんリスクがありますが、いろんなところが勝手に発行しているRippleやBitSharesなどのIOUとは違い、公式主導で一本化してやっているので、それらと比較すると割とリスクは低めなIOUと言えるかもしれません。

分散型取引所

トークン間の分散型取引所が既に実装されています。根本機能ですが、リリースから1年を待たず早い段階で実装されたのは好印象でした。

LPoSの実装

WavesではコンセンサスアルゴリズムにProof of Stakeを採用していますが、ビットコインのマイニングプールと同じようなイメージで特定のPoSマイナーに自分のWAVESトークンを貸し出す(リース)ことによりPoSマイニングの報酬の一部が貰えるLPoS(Leased proof of stake)という仕組みが実装されました。

派生元のNxtではかなりの残高を持っていないと、全くブロックが発見できず実質鋳造不可であるという課題があったため、それを解決するためのものだと思われます。NxtでもLPoSは可能なようです。

なお、Wavesでは基軸トークンのWAVESをすべて発行済であるため、報酬は取引手数料分のみとなります。ただし、採掘に成功すると、WAVESだけではなくMiners Reward Token(MRT)というマイナー報酬トークンも貰えます。具体的な仕組みはよく分かりませんが、このトークンはマイナーに関係するブロックチェーンのパラメータ(ブロック生成間隔など?)を変更する際の投票権となるようです。

終わりに

ということで、単なる宣伝記事になってしまいましたが、割と順調に開発が進んでいるようです。金だけ集めておいて何もやっている様子がないとか進捗が遅すぎるプロジェクトがあまりにも多いのでハードルが異常に下がっているせいもありますが、Wavesは割と好印象でした。ただし、トークンプラットフォームといってもCounterparty、Ethereum、NEM、Nxt、BitSharesなど既に多くのものが溢れていますし、それらを追い越して勝てる要素は残念ながらまだ無いように思われます。コミュニティ上には無意識・意識的にかかわらずポジショントーク的な発言がしばしば見られますが、個人的な印象としてはどれも欠点とか不安要素があって、これが将来生き残る!とかいったビジョンは全く見えませんし見当もつきません。

 

今後のブログとしては、6月は久しぶりにアルトコイン系について調べて集中して書こうかと思っています(本当は5月から書きたかったけど全然調べられておらず・・・)。最近の価格高騰も手伝って新しい人は増えているようですが、軽く調べた限り、幸か不幸か英語のホワイトペーパーを読んでまとめるような技術関連も書いている日本語ブログは1年前から全く増えていないような感じなので、まだ需要はあるでしょう。

ビットコインのスケール問題はいろいろ動きがあったようですが、どう転んでも一筋縄ではいかなさそうですし、フォークが目前の危機になる(7月頃?)とか確実に解決の方向に向かいそうであればまた書こうかと思います。