10月15日にCounterpartyがアップデートされたようですが、EthereumのMetropolisに隠れてあまり話題になっていないようなので内容をサラッと書いておきます。
トランザクションサイズの削減(CIP11)
Counterpartyのすべてのトランザクションのサイズを3バイト削減するアップデートが行われました。さらに次のCIP9のおかげで実質20バイト程度削減されています。最小でもトランザクションのサイズは250バイト程度なので、ほぼ誤差で必要手数料の差の違いを感じることはないでしょうが、サイズが減るに越したことはありません。
送信時のdust(ゴミ)BTCが不要に(CIP9)
これまでCounterpartyではトークンの送信時などで必ず5430satoshiを同時に送信する必要がありました。それが今回のアップデートで全く必要なくなりました。
昔は5430satoshiというと微々たる額でほとんど気にはならなかったのですが、BTCの価格高騰の影響で5430satoshiも30円程度となり決して無視できない額となっていました。ちなみにCounterpartyのリリース文だと40%から45%の手数料削減とか書かれていますが、おそらくこの5430satoshiを手数料に含めて考えたときに、それが必要なくなるので40%-45%安くなるという意味であって、前述のとおりマイナーに支払う手数料はあまり変わらないと思われます。
もしかしたらトークンが送られてくると5430satoshiもついてくるので、ちょっと嬉しい・・・と思っていた人もいるかもしれませんが、実際には少額のゴミBTC(dust)が集まるとそのdustをまとめて送金するときに莫大な手数料がかかることがあるので、必要手数料が高騰している状況だとdustは文字通り邪魔になることがよくありました。
CIP9は「Enhanced Send」と呼ばれており、アップデート後もこの機能をオフにして従来通りのdustを付加するトランザクションを実行することもできるようです。
なお、dustが不要になったことにより、ビットコインのブロックエクスプローラ上からはトークンの送信先がわからなくなっているのでご注意ください。一見するとただBTCを自分のアドレスに送り返しているだけのように見えるはずです。
メモ添付機能の追加(CIP9&CIP12)
Counterparty以外のトークン発行系のプラットフォームだと当たり前のようにある機能ですが、今回Counterpartyにも追加されました。34バイト(全角17文字)という制限はありますが、送金時にメッセージも送りたい・・・という人は意外と多かったかもしれません。
開発としては取引所のコスト削減をメインターゲットしているようです。取引所が顧客を判別する方法としては、顧客ごとに入金用アドレスを割り当てる方法と、入金用アドレスは統一して顧客ごとに固有の識別子をメモで送ってもらう方法の二種類があるかと思います。
前者だと大量のアドレスに散らばったBTCを集める必要があり、手数料もかかるので、よりコストが大きいと考えられます。今回のアップデートでメモで識別する方法が可能となりました。
ちなみに、入金にメモの添付が必要なアルトコイン系の取引を行う方は経験があるかもしれませんが、万が一メモの添付を忘れてしまうと取引所側がだれの入金なのが判別できず、取引所内の自分の口座に残高が反映されないのでサポートに連絡をとるしかない・・・というトラブルが発生します。これを防ぐために、特定のアドレスについてメモの添付がないと受け取りを拒絶し、ネットワーク上で送金が成功しないような仕組みもCIP12により導入されました。
なお、メモに関してはまだ多くのウォレットが機能を未導入のようなので、ウォレット側のアップデート待ちという状況のようです。先週リリースされたCounterpartyのデスクトップウォレットであるFreewallet.ioには一応メモ送信機能がすでについているようですが、試してみたところ受け取っても(ブロックエクスプローラ上でしか)メモの表示ができないので、まだ使えるものではありませんでした。
今後のアップデートとか
今後(先月のリリースだと11月後半予定)は、一つのトランザクションで複数のトークンやユーザーに同時に送信できる機能追加や、Segwitにも対応する予定のようです。
実はここしばらくは手数料10円以下でもSegwitを使わなくても、BTCないしCPトークンの送信が普通にすぐ承認されるような状況が続いているのですが、いつまた高騰しはじめるかわかりませんし、どちらも手数料の大幅削減につながるので期待したいところです。
オフチェーンが実用化されないと・・・
実際は安い手数料で送れても、ふつうのビットコインウォレットも含めてほとんどのウォレットの手数料の自動調整機能の精度が微妙だったりして、最適な手数料を選ぶにはある程度勉強して自分でどの程度の手数料が最適か考えなければいけません。ビットコイン決済もCPもそうですが、一般層に普及するには一般ユーザーのそもそもの必要手数料を大幅に削減するオフチェーン取引が必須だと感じます。